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GTEC for STUDENTS ライティング答案表彰制度 結果レポート

2009年度 審査結果

2010年3月14日(日)に実施しましたGTEC for STUDENTS検定公開会場テストには、「自分の英語力をもっと上げたい!」「自分の英語の実力を試してみたい!」というチャレンジ精神溢れた100人の高校生が会場に集まりました! その公開会場で受検した高校生のライティング答案の中から、採点とは別に、内容的にも優れている答案を選ぶ、「ライティング答案表彰制度」の審査結果を発表します。


審査員
松井孝志先生

山口県鴻城高等学校 英語教諭
ELEC同友会英語教育学会常任理事 兼 ライティング研究部会部長
松井先生写真



残念ながら今年は「最優秀賞」に該当する答案はありませんでしたが、優秀賞に見事、一人選ばれました!
2009年度優秀賞 近藤七海さん 東京私立 頌栄女子高校
≪問題≫
現在、男女は平等であるという考えが広まっています。このことについて、身近な事例や経験などを取り上げて
あなた自身の考えを書きなさい。

回答用紙
松井先生の答案添削例
  I think that women and men should be treated according to their ability. The idea that men should work harder is not convincing enough because there are a lot of women who are able to work better than men. I go to girls high school now, and at my school, girls do everything themselves. At another school, as I heard from a friend of mine, when girl students are asked to carry something heavy, they say, “That’s what boys should do.” That attitude does not make sense. Some girls may not be able to do that, but there are some other girls who are able to. “I am a girl,” cannot be the reason for being lazy. Women often complain that they are treated unequally, but many of them are happy with that treatment just because they do not want to work as hard as men. I hope that people will be properly appreciated regardless of sex.
(157 words)


松井先生の優秀答案 講評コメント
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 細かい語法・文法上のミスはありますが、全体として主張を理解するのに、読み手に大きな負担をかけない文章となっています。  冒頭で、持論を主張する際に、単に、“Women and men should be treated equally.” で終わるのではなく、“(be) treated
 according to their ability”として、考えを絞ったことで、主張が散漫にならず、首尾一貫した論の展開に貢献したと思います。
 多くの答案で、「男女平等という考え」「男女同権という意見」という表現に際し、the idea, the opinionの名詞に続く、同格のthat節が適切に書けていませんでしたが、優秀答案にはその部分でミスがなかったことも、冒頭での主張を理解してもらうためには大きかったようです。主張にあたる部分では、自分の主観を表す助動詞を使い、裏付け部分には、自らのエピソードなど事実を表す、一般動詞を選んで書こうとしている点も、ライティングの基本が身に付いていることのあらわれだと思います。結論部分は、一般には持論の再強調ですから、新たなことを言うのではなく、最終文で表現をうまく言い換えられれば文章がより一層引き締まったと思います。
 気をつけたいのは以下の二点。まずは、“strange” など印象評価を表す主観的形容をした後の、サポートです。読み手は、なぜそれがstrangeなのか、どのくらいstrangeなのかを説明する記述を期待します。第2文では、because以下でその説明をしていますが、第6文の、 “That sounds strange.” では、そのサポートが充分に現れないまま、次の展開へと繋がっています。
 二点目は、その前に述べた内容を受ける、指示語・代名詞、一般名詞の使い方です。“It’s often said that ‘women are treated unequaly (原文ママ),’ but I think many women who do not work hard like that.”では、thatが何を指すのかが曖昧で、likeが本当に述語動詞として用いたかったのか、読み手は少し不安になります。その前に述べた、“(be ) treated unequally” を活かして、that treatmentなどと一般名詞を活用することで、表したい内容の繋がりがより強くなるということを覚えておいて下さい。
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松井先生の英文ライティングアドバイス

 多くの高等学校では、英語Ⅰ、Ⅱ、そしてライティングの時間に、英文を書くわけですが、指導の順序は「体系的な文法学習」→「構文」→「短文の和文英訳」→「やや長い和文英訳」のように、それを英語で何というのか、という個々の文・表現にあたる「ヨコ糸」を先に紡いでから「テーマ作文・自由英作文」→「本格的エッセイ」という英語の論理に従った文章へと進んでいく傾向があります。今回の公開会場での受験者の答案を見ても、基本的なライティングの「型」が定着していないものが多数見られました。
 その一方、「パラグラフ・ライティング」の指導を受けたと思わしき、序論・本論・結論という論理展開の「タテ糸」を紡ぐべく、それぞれの段落を明確に分け、それぞれの定型表現 (頭出しチャンク) が書かれているものの、理由付けの部分に更なる意見・主張を続けるため、読み手の説得に繋がらないもの、主張を述べる部分、理由付けを述べたり、具体例を挙げたりする部分での文法的なミスがあるために、読み手に大きな負担をかけるものが多々見られました。
 「型」の指導、「タテ糸」の指導が上手く成果に繋がらない要因の一つには、GTECのように、150語〜200語程度でお手本となる「意見文 (argumentation)」や「物語文 (narration)」の文章を英語の教科書で精読する機会がほとんどないことがあげられます。型にはまった、頭出し表現は覚えても、その中身、肉付けを適切に行うトレーニングが手薄になっているようです。
 高校の現場でも、早い段階で型を教え、GTECのようなまとまった課題作文を書く機会を増やす中で、あらかじめ用意された型で「タテ糸」を確かめながら、自分の言い表したいことを書き、そこで出てくる誤りを正していく中で、確かな「ヨコ糸」を織りなしていく、といったアプローチが望まれるところです。

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松井先生お勧め参考文献


◆大井恭子・田畑光義・松井孝志 『パラグラフ・ライティング指導入門』 (大修館書店)
*中学段階から、大学入試まで具体的な指導例と、その理論的背景がしっかりと解説されていますので、これまで本格的なライティング指導になかなか踏み切れなかった方にも参考になる部分が多いと思います。

◆柳瀬和明 『日本語から考える英語表現の技術』 (講談社ブルーバックス)
*英語で言いたいことが言えないもどかしさをまず受け入れ、その後、どう対処していくかを実例豊富に示しています。従来から「和文和訳」などと言われ、コツ、秘訣として扱われていた、日本語発想からどのように英語へとアクセスしていくかという橋渡しの部分を、高校生にも是非読んで欲しい1冊です。

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2008年度審査 結果はこちら




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